アームホールでも衿グリでも、後身と前身のカーブを別々に描いているパタンナーをときどき見かけます。これはまったくの手抜き作業です。上のムービーは肩線で後身と前身を縫い合わせた状態ですが、カーブはその部位全体でひとつなのですから、全体を捉え、全体がスムーズでつながりの良いものに引かなければなりません。例えばアームホールの場合なら、肩線を入れた状態で肩先の連絡を取り、次に脇を入れた状態でカマ下の連絡を取るわけですが、ペンツールで描く曲線の場合、連絡が取れているというのは、後身と前身のハンドルが一直線に繋がっていることを意味します。
イラレのペンツールで描くカーブには、必ず両端にアンカーポイントがあります。そしてそのアンカーポイントからは「ハンドル」というノブが飛び出しています。ハンドルはカーブの方向を司る、まさに車のハンドルのような働きをします。
「スマートガイド」をONにしてあれば、マウスをハンドルの頭にポイントしたとき「ハンドル」と表示します。その頭とハンドルの出ているアンカーポイントを結ぶ直線を描きますが、この直線は角度と長さがハンドルと同じになります。この直線を利用してもう一方のハンドルの角度を決めるわけです。
ムービーの中に直線を長くする(大きくする)場面がありますが、これは「拡大縮小ツール」を使った操作です。具体的な操作方法はパスを延長するをご覧ください。
脇のつながり
最初のムービーは、前後ともハンドルの角度が、脇線に対して直角になるよう調整する方法です。脇線をコピペで抜き取り、それを90°回転して利用する方法ですが、抜き取った脇線にアンカーポイントを追加するのがミソですね。オブジェクト/パス/アンカーポイントの追加を選びますが、直線の場合は必ずパスの中心にアンカーポイントが追加されます。したがってパスを均等に二分割したり中心を求めたい場合など、パターンメーキングの多くの場面でこれは使います。自分なりのショートカットを作っておくべきでしょう。
次は同じく脇のつながりですが、脇線に対して任意の角度でハンドルを決める方法です。回転ツールを持ったとき、選択されたパスの中心が、自動的に回転の中心になります。したがって回転の中心をいちいち指定する必要はありません。