アームホールと袖のパターンメーキング 3
楕円形の作り方
楕円の基本形は使うダミーによって異なります。ダミーを見比べるといろいろな形状をしていますが、楕円の上半分は肩の丸みです。腕の付け根の山側とでも言いましょうか、肩先の厚みや盛り上がりを表現した形状です。
それに対して下半分はどうなっているかと言うと、これはほぼ100%意匠線なんです。例えばTEEシャツなどは幅が細い縦長の楕円で、しかもカマ底はV字状になっています。またテーラードジャケットなどは横幅が広く、更に下のほうは洋梨型のような下ぶくれになっています。これら楕円形の形状は、パタンナーが勝手に決めるデザイン的要素となります。
袖の作り方
みなさんは袖の設計をする際、どのような要素から構築されますか? 恐らく僕と同じように、次の四つの要素から考えるのではないでしょうか。
1.山の高さ
2.袖幅
3.袖丈
4.袖口幅
上述した4つの要素によって袖パターンは作られ、なおかつ山の頂点と谷底に於けるハンドルの方向を定めることで、袖山カーブのおおよその距離がわかります。距離がわかれば、楕円形の形状および大きさが決まります。
袖幅をどのくらいに設定するか、またカマ底の形状をどうするかで、楕円形の大きさと形が変わります。しかし全周の距離は設計した袖山カーブと等しくなければなりません。しかしここはそれほど厳密である必要はありません。おおよその距離が合っていれば大丈夫です。