アームホールと袖のパターンメーキング 2

袖山カーブの形状

正しい袖山カーブとは、脇面に対して隙間無くぴったりと置けた状態をいいます。机の上にできあがった袖を置いてこれを確認するわけですが、隙間無くぴったり収まるまで、何度も何度も袖山カーブを修正しなければなりません。しかし厄介なことに、隙間無くぴったり置かれるその状態は、完成するアームホールの形状によって変わってしまいます。えっ、どういうこと? と思いますよね。


アームホール形状は意匠線

袖口から見える楕円形はアームホール。そしてそのアームホールの形状は、パタンナーがデザインする意匠線です。どんなかたちのアームホールにするか、それによって袖山カーブの形状は変化します。つまり袖を作るためには、出来上がりのアームホールをイメージした楕円形を、先に作らなければなりません。

玉置メソッドは袖が先にあって、その袖が付いたところに、アームホールが勝手にできるというものだったはずです。なのにアームホールの楕円形を先にイメージして作れ。というのは話が矛盾しているように聞こえます。しかしそうではないのです。

一方が決まれば自然ともう一方も決まる。ということは、両方を別々に考えても意味がない。つまり袖とアームホールは同じもの。という説明を前段でしましたが、袖とアームホールはふたつでひとつなんです。だからこれを考えるとき、ふたつを同時に考えなければならないということです。

脇面に隙間無くぴったり置くために、袖山カーブはアームホールに対して整合性が取れてないといけません。ではどんなカーブが正しいのか。それを決定するのはアームホールの楕円形です。楕円形を最初にイメージし、その楕円形に沿って袖を机の上に置いたとき、隙間無くぴったり置かれた状態のカーブが、その楕円形にとって整合性の取れた、正しい袖山カーブということになります。