2015/08/15

少し前の話ですが、新宿のとある有名な居酒屋で飲みました。
有名なと、あえて言うのには訳があります。ここは美味しいから必ず行った方がいいと、ある人から聞かされていました。ある日飛び込みで行ってみると満席で入れませんでした。従業員曰く、予約をいただかないとなかなか入れないとのことでした。入れなければ益々想いが募るのが人情です。なるほど、これだけ人気があるのだから旨いに違いない。近いうちに予約を入れて行かなくてはとチャンスを狙っていました。そしておあつらえ向きに送別会です。何週間も前から予約を入れ、この日がくるのを楽しみにしていました。そうです、送り出す仲間のことなどどうでもいいのです。別に二度と会えない所へ行ってしまうわけでもなし、とにかくこの飲み屋で一杯やりたかったわけです。

結論から先に言いましょう。二度と行くまいと思えるほどマズい店でした。期待が大きかっただけにショックも大きいのですが、とにかく最初に出されたお通しから喉を通りませんでした。新鮮な海産物が売り物の店なのですが、まあ鮮度の悪いこと、ネタの質の悪いことにガッカリしました。そして値段も高いのです。普通の飲み屋なら高くても5〜6千円で収まるはずですが、1人8千円以上も取られました。もちろん普通以上に飲んでる訳ではありません。出てきた料理(コースメニューで決められている)の量も普通です。例え旨い店だったとしても、会社帰りに一杯ひっかける店としては、この値段はちょっと高すぎるという感覚ですよね。

見渡すと店内は満席です。大入り満員でごった返しています。しかしよく見ると、客のほとんどが20代から30代の若者です。年配者は僕を含めて5人もいなかったほどです。だろうなぁ、と思いました。味の肥えた大人が来るはずありません。僕みたいに試しに一度は来るにしても、絶対に二度とは来ないでしょう。いや恐らく若者だって来ないに違いないと思うのですが、その割りには繁盛していて、しかもこの店はかなり昔からあるらしいのです。いくら新宿とは言え、マズければ噂になるだろうし、そんなに長続きはしないだろうと思いますが、やはり味は好みですから、人それぞれ旨いと感じる人もいるということなのでしょうね。ちなみに食べログの星は3.53(口コミ件数184)と、かなりの高得点でした。

好みは人それぞれですから、これが正しいという味など存在しません。僕にとってはゴミでしかない食べ物も、人によってはお宝になるわけです。この理屈は洋服もまったく同じです。どんな服がイケてるか、カッコイイか、自分に似合うかなど、こういった感覚はすべて人それぞれです。正解がありません。なのでこういった世界では何でもアリで、料理でも服でも自分がイケると思えばいいわけで、だから昔から洋服のブランドと食べ物屋は次々と誕生します。そして次々と消えてゆきます。多くの人々に支持される味だけが生き残るわけですが、はたしてこのあたりのメカニズムはどうなっているのでしょうか。流行る店と潰れていく店の違いはいったいどこにあるのでしょうか。生き残るブランドと潰れていくブランドは何が違うのでしょうか。