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Q&A パンツのメカニズム



2009年07月02日 FKさんからのご質問です

質問
パンツのねかしに関してですが、先細のものは結果として開脚になり、ねかしが多くなる。というのはよく理解できました。それでは、ストレートスローパーで開脚姿勢にしたい場合、逆に、先にねかしを操作するのでしょうか?それとも、ストレートは直立姿勢と定義してあったので、開脚姿勢はありえないということなのでしょうか?もし、お時間が許されるならば、ストレートの場合に関しても操作の手順を教えて頂けたらと思います。

回答
ご質問ありがとうございます。
まずご理解いただきたいのは、ネカシは結果に過ぎないということです。シルエットを作った結果、ネカシ量はこれだけになった、ということだけなのです。ネカシ量をどのくらいにしようか? という悩みは極めて平面的な解釈で、立体ではネカシ量について一切考えません。
FKさんのご質問に「先細のものは結果として開脚になり・・・」とありますが、ネカシ量と開脚を混同しているようです。ぴったり足を閉じてまっすぐ立った姿勢で作っても、先細なら結果としてネカシ量は大きくなります。しかしだからといって、そのパンツは開脚しているわけではないのです。つまり開脚姿勢とネカシ量は無関係ということです。
開脚にしたいばあいは、開脚になるようなドレーピングをすればいいことなのですが、結果として、ネカシ量は更に多くなります。もちろん経験的にどのくらいねかせばどのくらい開脚になるというのは推測できるので、平面製図で先にネカシを変化させることはありますが、変化のさせかた、つまりパターン操作の方法を間違えると、結果はとんでもないことになります。だからこそドレーピングを学び、メカニズムを理解しなければなりません。以下に具体的な解説をします。
 

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解説

下の模式図は、開脚の仕組みを判りやすく描いたものです。
左は基本となるストレートスローパーですが、開脚姿勢ではなく、脚を閉じた状態のものです。これが開脚すると右のようになります。

クロッチを中心にパンツ身頃が回転するのがお解りかと思います。このときヒップラインから上も回転するわけですから、前中心も後中心も同じように反対身頃に飛び出します。その分を削れば中心線はネてくるわけです。ネカシの程度は開脚に比例します。

開脚とは左図のようなパンツの動きを指しますが、ストレートであろうが先細であろうが関係ないということがお解りかと思います。また開脚姿勢にすることで脇ウエストでのダーツ量が減ることに注意してください。さらに前後中心が削られるわけですから、ウエスト寸法は開脚と反比例して小さくなるわけです。後ダーツが取れないデザインのもので、なおかつウエスト寸法を小さく設定するためには、このように開脚姿勢にする以外、他に方法がありません。
 

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上の説明を実際にやってみましょう。
上段のA、B、Cはストレートスローパーを開脚無しで作ったものです。それを開脚姿勢にしたのが下段の写真D、E、Fです。

開脚させることによって前後中心線がネていく様子が分かります。また水平だったヒップラインが、脇側で上がっていくところにも注意してください。開脚するというのはこういう意味です。
 

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下はトワルを取り外して平置きした写真です。
実線のマークは開脚無し、破線のマークは開脚です。ネカシ量の変化がとても良く解ります。

まとめてみましょう。

ストレートや先細など、 シルエットの変化とは無関係に開脚姿勢を作ることができます。開脚度合いが大きくなればなるほど、前後中心線のネカシ量は大きくなります。

先細シルエットはストレートに比べてネカシ量が多くなりますが、それと開脚は無関係です。

要は、シルエット作りによって生じたネカシ量と、開脚操作によって生じたネカシ量を混同しないように注意しなければならないということです。

 

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