川久保玲さんや山本耀司さんを排出した70年代初期、それまで石津謙介氏に代表されるアイビー全盛だったメンズファッションの世界に、ヨーロッパスタイルという新たな風が吹き始めました。その発信源のひとりこそ、僕の師匠でもある菊地武夫先生でした。ロングターンのダブルにバギーパンツというスタイルは、アイビーしか知らなかった僕たちにとって衝撃であったことは言うまでもありません。深い2本のプリーツで形成されたタックパンツは、チビで華奢な僕の体型に似合うはずなどなかったのですが、給料のほぼ半額に近いその高価なスーツを買い、後の半分をオペルカの靴に費やしたのを今でも覚えています。それから約半世紀の時が流れ、今また、タックパンツは密かなブームを見せています。長く続いたノータックの時代しか知らない若い世代にとって、半世紀前の僕たち同様、タックパンツは極めて新鮮に映るのだろうと思います。しかし残念なことに、今のタックパンツに当時の美しさを感じられません。それは僕の既成概念に起因するものだと十分承知しているのですが、同時に、昔の美しいタックパンツを知らない世代のパタンナーさん達に、こんなタックパンツもあるんだよと、教えてあげたいのです。そんな想いでこの動画を作成しました。みなさんの参考になればとても嬉しいです。

ポイント

・タックが開くとはどういう現象か
・タックが開くメカニズム
・平面製図によって作られた一般的なパンツパターン
・タック分量はどのように加えるべきか

タックパンツの作り方 2 を見る