アームホールの整合性

パターンメーキングに於ける曲線描画は、パタンナーがその仕事の中で、最もこだわるべき部分だと思っています。パタンナーの個性や能力は曲線部分に現れるのですから、ここに注力できないパタンナーは、もはやパタンナーとは呼べないと僕は思っています。

例えばアームホールを考えてみましょう。これは前の肩先からカマ底を通り、後の肩先まで1本の曲線としてつながっているわけですが、これを前身、ヨーク、後身、細腹など、パーツごとに考えてもまったく無意味であることは歴然としてます。つながった1本の曲線として設計されなければならないわけですから、例えばシャツなら、肩で接ぎ合わせた状態での見え方と、脇で接ぎ合わせた状態での、二通りの見え方でその整合性を成立させなければなりません。

玉置メソッドはこうした問題を合理的に解決するための方法論です。しかしショルダーパーツや楕円形がなぜ必要なのか、それらの意味と目的がどこにあるのか、まだあまり良く理解されてないように思います。そこで今回は、アームホールの合理性を確保する上で、楕円形やショルダーパーツがどんな役割を持っているのか、そしてアームホール全体をどう描くのかについてレクチャーします。


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