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アームホールと袖の基本 1



いつも申し上げるとおり、パターンメーキングの作業は良くてあたりまえで、仕事の優劣を決定するのは早さです。
いいパターンはできて当たり前。それをいかに素速く完成できるかが問題で、パタンナーの資質はそこを問われます。教科書や先輩の教えを鵜呑みにせず、常に疑問を持ち、もっと早くより良いパターンができないか。そう考える努力を怠っては、決して稼げるパタンナーにはなれません。そのためには洋服のメカニズム、パターンの仕組みを理解しなければなりませんが、平面製図に頼っている限り、なかなかその能力は身に付かないものです。仕組みやメカニズムを理解するには、立体をやる以外に方法はありません。立体をやることによって初めて、これまで教えられてきた内容に疑問を感じるようになるでしょう。

玉置の仕事場は、みなさんの目から、鱗がボロボロと音を立てて落ちることを目的としています。みなさんがこれまでやってきた方法や考え方とは、まったく違ったアプローチでパターンを作っています。みなさんが信じられないと思ったら僕の思うつぼです。まるでデタラメだと思うかも知れません。しかし問題はそこから先です。稼げるパタンナーになるためには、信じられない話だと一笑に付して終わってはいけません。自分で試してみることが必要です。試してみれば、答えは自ずと出てきます。先入観や既成概念に囚われるのが人間の脳みその仕組みですが、壁を越えるとは、そこから脱することでもあります。おっくうがらず、コツコツと実験を繰り返し、本当の答えを見つけなければなりません。そのとき必ずみなさんは気づくはずです。実験の繰り返しによって得たものは、答えではなく、パターンのメカニズムであることを。

服作りに正しい答えなどあり得ません。しかし仕組みやメカニズムはちゃんと存在してます。それを理解することが、パタンナーとして腕を上げることなのです。試しに、ちょっとクイズを出しましょう。

シャツやTEEシャツなどで使われる、最も基本的なセットイン一枚袖があります。
袖下を縫い合わせたとき、袖山ラインの谷底、脇下の接ぎ目の部分が、逆V字状にとがった袖をよく見かけますが、これは原則としてあってはならないラインです。山の頂点がスムーズなラインになっているとおり、谷底のラインもスムーズに連絡が取れてなければなりません。さて、その理由は何故でしょう。ちゃんと説明できますか? このページをしっかり理解すれば、答えは出てくるはずなのですが・・・。

さて前置きが長くなりましたが、今回はアームホールと袖の話です。
みなさんはまず身頃を作り、できたアームホールに従って袖を作っていると思いますが、ここでもまた逆転の発想が必要になります。衿グリは衿が決めたように、アームホールもまた、袖が決めるのです。どうしてそんな方法を採るのか。そのほうが仕事が早く、しかも確実だからです。確実というのは、いい服ができるという意味ですが、逆な見方をすれば、みなさんがやっている方法では、なかなか確実で早い仕事はできない、という意味でもあります。信じられないと否定する前に、まずは試してみることです。

衿はデザイン的な表情を演出しなければならない、洋服の重要なポイント、いわゆる「顔」に相当する部位ですから、衿と衿グリのパターンメーキングにはそれなりの熟練とセンスが要求されます。しかし袖は衿ほどではありません。もちろんデザイン的演出も必要ですが、要は、機能的で美しく納まっていれば、とりあえずは合格できるという部位です。難易度から見れば、袖は衿よりもはるかに楽だと僕は思っています。

 

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1. 袖は円柱?

まずはアームホールと袖の基本を理解するため、簡単な工作をやってみましょう。
アルミホイルやサランラップを巻いてある紙筒を用意してください。みなさんの場合なら原反やプロッタ用紙を巻いてある紙管でも結構です。つまり円柱のパイプですが、のこぎりやカッターで簡単に切断できる素材がいいですね。

袖とは要するに、単なる円柱のパイプです。
このパイプの両端は直角に切断されていますが、この切断面が、袖の山であり、アームホールとなります。山の高さによって切断面の形状が変化し、その形状によって身頃に取り付けたときの角度、見え方などが変化します。

まずは直角に切断してある紙筒の、その切断面を壁に押し当ててみましょう。壁の面に対して、パイプは直角に取り付くはずです(図1)。
そしてパイプの周辺を鉛筆でなぞってみます。なぞった図形は正円になっています。あたりまえの話ですが、実はこのなぞった図形(切断面)がアームホールに相当します(図2)。

ではこのとき、つまり円柱を直角に切断したとき、山の高さはどのくらいになっているのでしょうか。それは図3のように円柱を縦に割って、開いてみればわかります。山の高さはゼロ。ただの直線になっていることがわかります。
 

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2.

では次に図4を見てみましょう。
パイプの端の方を、角度を付けて、斜めに切り落としてみます。切断面が直角であったときには山の高さがゼロであったのに対し、斜めに切るということは、山を高くするということになります。

図中aが袖山の高さに当たる部分ですが、それぞれの切断面を壁に押し当て、なぞった図形が紫の円です。直角切断の場合は正円であったアームホールが、角度を付けることで楕円形に変化します。これがこの袖山に対するアームホールの形状です。

以上のことからおわかりのように、同じ太さの袖(同じ直径の円柱)でも、山の高さが変化することによって、アームホールの形状も変化するということです。そしてここでは袖を単なる円柱だと考えているため、山の高さに関係なく、アームホールの幅はどれも一定です。縦方向にだけ変化するという点に注意してください。

図4左側に描いているのが袖山線です。それぞれの紙管を縦に開いた状態です。直角断面でゼロだった山の高さは、図のように変化する様子がわかりますね。これらの図から、アームホールと袖山線との関係が見えてくるわけですが、衿と衿グリの関係と同じように、アームホールと袖山(袖付け線)は常に不可分の関係にあり、一方が決まれば必然的にもう一方も決まるということがわかります。
 

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一方が決まれば必然的にもう一方も決まるということは、何度も言うようですが衿と衿グリの関係と同じです。両方を別々に考えても意味がないということです。だとしたら、ここでとても意味深い疑問に気付くはずです。いったい自分は何を作ろうとしているのか。いま自分は美しいアームホールを作ろうとしているのか。それとも、美しい袖を作ろうとしているのか。という疑問です。

もし美しいアームホールを作ろうとしているなら、これまでみなさんが習ってきたとおりで間違っていなかったことになります。
みなさんの方法では、まず身頃を引き、つまりアームホールを先に完成させますよね。先にアームホールありきで間違いありません。しかしいまみなさんが欲しいのは美しいアームホールではないはずです。美しい袖です。だとしたら、先に袖ありき。袖を先に作るのが理に叶った方法だとは思いませんか。まずは美しい袖を作り、それが美しいままに取り付いたところが、アームホールだ、と考えるのです。アームホールの形状が美しかろうが醜かろうが、完成した服にとって大きな意味はありません。機能的で美しい袖が付いていればいいだけのこと。・・・ですよね。

みなさんが欲しいのは美しい衿であって、衿グリではありませんでした。衿と衿グリはふたつでひとつという不可分の関係でした。ならば、美しい衿を先に作り、それが首尾良く納まったところを衿グリとしたという考え方にご納得いただけたかと思うのですが、それとまったく同じ理屈が、袖の場合にも成り立ちます。アームホールと袖は切り離して考えるべきではないのです。既成概念や常識が、いかにクリエイティヴを阻害するかがお解りかと思います。教科書や先輩の言葉を鵜呑みにしているだけでは、稼げるパタンナーにはなれません。

そしてもう一点。上記の解説からご理解いただきたいのは、袖山がどんな高さであっても、イセが入ろうが入るまいが、アームホールは単なる平面だということです。フラットな板だと考えなければなりません。円柱である袖を、山の高さに応じて斜めに切り落とした、その切断面がアームホールなのですから、この面が二次元的なプレートであることは容易に理解できます。したがって身頃を作る際にはそのことを十分に意識し、袖が取り付くあたり、つまりアームホール周辺は、着用して袖を通した状態でも、その平面が崩れないという想定でドレーピングしなければなりません。

ここまでご理解いただければ「始めに袖ありき」という意味がわかりますね。まずは美しい袖が無ければ話がはじまりません。そこでここからは、袖の基本的な作り方から考えてみましょう。アイテムは何でも構いませんが、テーラードのようにイセが入ると面倒なので、ここではシャツ袖のような、イセの入らないものを考えましょう。基本はセットイン一枚袖です。基本は極めて単純で、なおかつわかり易いため、ここではあえて平面製図で作ることにします。

袖を作るに当たって考慮しなければならない要素は以下の2点です。

1. 袖幅
2. 山の高さ

製図上の袖幅と見た目の袖幅は違います。見た目の袖幅とは着用した時の見え方の問題であり、決して平面的な袖のワタリ幅を言うのではありません。人が着て腕を体側に沿って降ろした状態。ハの字に開いた状態。水平くらいまで上げた状態など、それぞれの動きに伴って表現される袖の太さです。これを割り出すには経験則しかありません。つまり根拠のない非合理的な理屈に頼らなければならないということです。

次に山の高さですが、これもこうでなければならないという法則などありません。経験と勘が頼りになる、何とも心許ない部位ではあります。
しかしどちらも恐れることなどないのです。それがドレーピングの最も良い点でもあるのですが、ダメだったら、ヘンだったら、やり直せばいいのです。納得のいく太さ、山の高さになるよう、理想的と思える袖を求めて、何度も作ってみればいいだけのことですから。
ここではワタリ幅を18cm、山の高さを10cmでやってみましょう。
 

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3. 袖の基本は、上下左右が対称

下図5は袖山の仕組みを現したものです。
先の考察で述べたとおり、袖は単純な円柱、つまり直角断面が正円をしたパイプだと考えます。この場合はワタリが全体で36cmですから、これを円周率で割ると、直径約11.46cmの筒になります。紫色の楕円AHがアームホール面です。高さは約15.21cm(長辺)、幅は断面直径の11.46cm(短辺)になり、アームホールの長さ(袖山の距離)は約21.1cmとなります。

直角断面の直径が11.46cmのパイプを、山の高さ10cmとして斜めに切断し、それを山の頂点と谷の底とで切り開き、平面に展開したものが、左図赤線で示される袖山のラインです。袖山ライン上にある端点a、cと、その中点をbとします。

拡大図形が右側にありますが、線分a-bとb-cはまったく同じカーブでできているため、中点bを中心に時計回りに180度回転させると、線分b-cができることになります。これは関数で表現できる数学的な考え方で、円柱の断面は必ずこうなります。服作りに数学など持ってくるべきではないのですが、ここは基本なので、ちょっと我慢してください。

これを手描きで正確に引くのは大変難しいと思いますが、イラレを使って製図すれば、ほんの1、2分でできる簡単な作図です。要は、高さ10cm、幅18cm、長さ21.1cmの曲線で、なおかつ線分a-bとb-cをまったく同じカーブ(a-bを反転、または180度回転すればいい)に作れば、基本的な半身の袖山線ができるというわけです。

袖山の長さ21.1をいったいどうやって求めたのか。これは楕円の周長の求め方ですが、楕円の長辺と短辺がわかれば、イラレで実際にその楕円を描き、周長を計ればいいだけなので簡単に求められます。しかし手描き、または他のCADではどうすればいいのか・・・。残念ながら僕にはわかりませんが、手作業では求められないと思います。パタンナーには計算が難しすぎます。しかし15.21という楕円の長辺は、算数で習った三平方の定理で求めることができます。その求め方も図6に記しますので参考にしてください。とはいってもパタンナーの言うことです。間違っていたら、是非ともご指摘ください。
 

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4. 紙の袖で確かめる

実際に袖を組み立ててみましょう。
ここはトワルではなく紙で組み立てます。

図7の要領ですが、袖はすべて上がり線でカットし、袖下の片側のみにノリしろを付けておき、セロテープで接いでください。また袖の中心線も忘れずに入れておきます。また普通の袖丈では長すぎるので、20~30cmくらいのところで短くカットしておくほうがいいでしょう(左の写真)。

もちろんこの袖は左右対称です。したがって前も後もありません。みなさんにとっては違和感があるでしょうが、基本は基本なので、慣れていただくしかありません。

ここで重要なことがひとつ。それは、袖山ラインの谷底の連絡です。図からもお解りのように、a-bとb-cはまったく同じカーブでできているのですから、山のラインと底のラインはまったく同じにならなければならないという点です。

袖下を縫い合わせると谷底が尖っている袖を良く見かけますが、これは原則としてあり得ない形状です。紙筒を斜めにカットして切り開けば、どうしてあり得ないかは一目瞭然です。美しい袖を作ろうと思うのであれば、谷底のラインの連絡は、山のラインと同じように美しく調和の取れたラインでなければなりません。
 
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5. 変化する切断面(アームホール)

ここまでは原則として切断面が正円をした円柱を想定して袖を作ってきました。しかし実際にこれを身頃に取り付けるとなると、切断面が常に正円をしているとは限りません。前後方向や天地方向に潰れたりするためです。図9をご覧ください。切断面が正円をした円柱の状態を、通常の状態、プラスマイナスゼロ、と考えます。

仮に天地方向に袖を潰して取り付けたとすると、アームホールの形状はゼロよりも縦に潰れた(横広がりの)楕円形となります。また逆に前後方向に潰して取り付けると、アームホールの形状はゼロよりも横に潰れた(縦広がりの)楕円形となります。さらにTEEシャツやブラウスのように、アームホールの脇下形状がV字になったり(なぜV字にするかは、後日別のページで解説)もするわけですから、その形状は、取り付け方によって、涙型になったりアーモンド型になったり様々に変化するはずです。

もちろん袖の取り付け作業は意図的に行う作業です。しかし袖が決まればアームホールは必然的に決まることなので、アームホールの形状については、結果論でしかありません。結果としてアームホールがどのような形状になろうと、先にも書いたとおり、いま欲しいのは美しいアームホールではないので、そのこと自体は大した問題ではないのです。ただ大事なことは、アームホールはあくまでも結果として表れるという点で、これは衿と衿グリの関係と同じように、不可分の関係にあるということであり、平面的な考え方のように、先にアームホールがあるわけではない、という点です。
 

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6. 切断面は常に一枚の面になる

さて袖の基本の最後に、非常に重要な点を記さなければなりません。
上記したとおり、袖は取り付け方によって断面形状(つまりアームホール)が変化します。この変化に応じて、袖山ラインを修正しなければならないという点です。先に、アームホールは壁と同じように、平面のプレートだという話をしました。一枚の板です。したがって、袖側の断面も、平面になっている必要があります。袖側の面と身頃側の面がぴったりくっつくから綺麗な袖ができるのであって、もし片方が面ではなく、デコボコとした立体であったなら、それは綺麗に付くはずがありません。

下の写真10は紙で作った袖です。Aはゼロの状態、つまり切断面が正楕円をした状態です。これを真横から(身頃に付けた状態では正面から)見たものがBです。白線で示すとおり、切断面が一直線に見えます。これは紙筒を斜めにカットしたときの状態と同じです。上記のとおりに製図したパターンを用い、なおかつゼロの状態で袖が潰れていなければ、切断面は必ずこうなります。直線に見えるということは、一枚の板、面になっているということですから、この状態で身頃に付けるのであれば、アームホールは正楕円の面となり、面と面でぴったりくっつくことになります。
 
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写真10-1、10-2は、それを実際にトワルに取り付けたものです。袖の切断面が白線のとおり直線になっています。身頃の脇面に対して、ぴったり張り付くように袖が付いているのがわかりますね。面と面がぴったり重なるとはこういうことです。  

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対して写真11は袖を潰した状態です。Aは天地方向から潰したもの、Bは前後方向から潰したものを真横から見ています。白線(赤の破線は直線)が示すとおり、切断面が一直線になりません。曲線になっています。相手の身頃は一枚の板、平面となっているのですから、このまま取り付けたのでは隙間が開いてしまうことになります。

写真11-1、11-2は、袖を横方向に潰して取り付けたものです。つまりアームホールを縦長にすることを意識して取り付けています。こうすることによって脇幅を狭くすることができるわけですが、結果として背幅と前幅が広くなり、脇の前後に縦方向のドレープを表現できます。しかし基本の袖をそのまま取り付けたのでは、写真にあるように、身頃との間に隙間が開いてしまいます。
このままでは面になりませんから、身頃との間に開いた隙間を埋める必要が生じます。

ちなみに、アームホールを縦長にするという操作は極めて一般的で、恐らくみなさんもこのような操作を行っていると思います。しかしこれとは逆に、袖を縦方向に潰し、アームホールを横長にするというのは、あまり聞かない話です。しかし無いわけではないのです。

例えばオーケストラの指揮者が着るジャケット(燕尾服だったりもしますが)などは、すべてがそうではないと思いますが、カマ底を上げて腕を動きやすくするため、アームホールが横長になるような、袖を縦方向に潰す操作を行う場合があります。また卑近な例では、タクシー運転手の制服も、ハンドルを持つ手が常に前方、上方にあるため、同じような操作で運動機能を高めたりします。

このように、袖は取り付け方によって切断面が変化します。変化すること自体はいいのですが、袖山ラインはあくまでも面でなければなりません。したがって、袖の取り付け方に応じた袖山ラインを作る必要があるのです。とても重要なポイントです。

 



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図12は袖山ラインの修正方法です。

写真Aのように天地方向から潰れた袖の場合、より曲線が深くなるA'のラインとなり、Bのように前後方向から潰れた袖の場合は、より直線的になるB'のラインとなります。

この変化は取り付け方によって様々に変化するため、数値的にどの程度修正すればいいというものではありません。自分が理想と思う表現で実際に取り付けてみれば、身頃との間に僅かな隙間が生じるため、どの程度の修正が必要かはすぐにわかるはずです。まったく隙間のない、つまり面と面がぴったり合わさった状態ができるまで、何度も紙の袖を付けてみることです。

袖山ラインを修正することによって、袖の切断面は直線となり、写真12-1のようにぴったり納まってきます。谷底のラインの連絡は、山のラインと同じように美しく調和の取れたラインでなければなりません。
 
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図13はもうひとつの、袖山ラインの修正方法です。
上記の袖は、袖口幅がワタリ幅と同じになっています。基本はこれでかまいませんが、実際は袖口はもっと細くなり、場合によっては袖下接ぎ目のラインはインカーブになるかも知れません。そうなると、当然のことですが、袖山ラインの谷底はスムーズな連絡が取れなくなります。それを修正する必要があります。

重要なことは、山の基本ラインa-b-cを、できるだけ崩さないように修正しなければならないという点です。図ではb-cにはまったく手を付けていません。a-bだけの変化で修正されるわけですが、aの位置が下がった分、山が高くなってしまいます。しかしそれを気にしてはいけません。平面製図上では、確かに山は高くなっていますが、立体的に考えると、逆V字状に尖った部分を切り落としただけのことで、決して山が高くなったわけではありません。立体として身頃に取り付いたシルエット(山角度や振り角度)には、何の変化も起きてないのですから。

重要な点はただひとつ。谷底から山の頂点まで、美しく無理のない、スムーズな曲線で結ばれ、なおかつ基本ラインを最大限に生かした線を引くことです。
 

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袖の基本はこれで終了です。先に書いたとおり、テーラードでもTEEシャツでも、基本は全てに当てはまります。以下に要点をまとめます。

1. 袖は円柱
2. 切断面がアームホール
3. 袖山ラインは上下左右で対称(無方向)
4. 袖山ラインの谷底はスムーズにつながる
5. 取り付け方によって袖山ラインは変化する

上記をしっかり理解してください。後は身頃に取り付けるだけです。

さて冒頭で出題したクイズの答えは出ましたか?
袖山ラインの谷底がスムーズに連絡が取れてなければならない、その理由を述べられますか?
 

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Copyright Koichi Tamaki