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"僕を買ってください!"
   

みなさん、あけましておめでとうございます。2020年最初のご挨拶は、僕の人生に於ける重大発表とお願いです。

みなさん、僕を買ってください!

来る2020年5月をもって、僕はTHE NORTH FACEを卒業します。1991年に入社したときはわずか数億のちっぽけなブランドだったTHE NORTH FACEが、気がつくと100倍ものモンスターブランドに成長していました。過ぎ去った30年の歳月は決して短い日々ではないと思いますが、振り返ってみると、まるで一瞬の出来事であったかのように短く感じられます。終電泊まり込みは当たり前という、多忙極まるブラック業務でしたが、ひとつのブランドが大きく育つというのは、こういうことなんだと強く実感しました。そして必死になって戦った自分たちの頑張りが、ブランドの業績に貢献できたことを実感しました。

思えば45年前、菊地武夫先生が作ったMEN'S BIGIに憧れてこの業界に入りましたが、1990年のバブル崩壊まで、MEN'S BIGIはまさに破竹の勢いで快進撃を続け、時代の寵児として業界を代表するトップブランドに成長したときもそうでした。コレクション前の1週間は家に帰れないほどの多忙の中で、次から次へと降り注いでくる難題課題を、片っ端から叩き潰すことに追われる日々でしたが、苦しく辛い仕事も、ブランドが大きく成長することですべて報われることを知りました。自分たちの施すひとつひとつの作業が、すべてブランドが成長するための糧になっていると実感できたということは、ブラックどころか、なんて幸せな日々だったんだと感謝するばかりです。

ふたつのビッグ・ブランドに携われたことは、僕の人生にとって最大の幸運でした。僕は自分自身を一流のパタンナーだと自負していますが、同時にまだまだ伸びしろ満載の発展途上だとも思っています。僕たちの業務には正解も不正解も無く、刹那に消え去ってしまう曖昧な感情に振り回されるだけの日々です。しかしそこにこそファッションの可能性と、AIでは対処できない僕たちの必要性があるだろうと考えています。

約半世紀の時間を経て、僕は様々な事を学びました。どうすればカッコイイ服が作れるのか。どうずれば人に感動してもらえる服が作れるのか。どうすればブランドが成長できるか。どうすれば合理的な既製服システムを構築できるか。

今年から始まる僕の新しい人生を、僕はこの業界のために捧げたいと考えています。僕に蓄積された知識や技術は、必ず日本の既製服業界を救えると自負しています。ふたつのビッグ・ブランドを経験することで、そして藻屑と消えた多くのブランド見てきたことで、僕はファッションに必要なことが何なのかを学びました。もしもあなたが業界の未来を真剣に考え、社会が必要とする真のブランドを育てたいと考えていらっしゃるなら、是非とも僕に声をかけてください。僕を買ってください。みなさんからのオファーを心よりお待ちしております。

玉置浩一 : tama@seagel.com
携帯番号 : 080 5671 3948

THE NORTH FACE卒業に伴い「玉置の仕事場」も移転します。場所は現在探索中でまだ見つかっておりません。決まり次第みなさんにはお知らせしますが、ワークショップや稽古場はこれまで以上精力的に開催するつもりです。みなさんとの交流を、もっともっと深めたいと考えています。今後とも宜しくお願いします。



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